こまえ探究記~郷土史と古代信仰と~

こまえ歴史探訪

日本の文化と歴史をたどって

前鳥神社(相模國四宮)

前鳥神社

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神奈川県平塚市四之宮に鎮座する

学問のご利益で有名な神社です

 

この時は気温が30度越えの猛暑、豊かな鎮守の森があり

木陰の涼しさと吹き抜ける風がとっても気持ちいい

 

 

 

 

御祭神

 

御祭神である菟道稚郎子命を祀る神社は非常に珍しく、京都の宇治神社以外には

前鳥神社(当社)と野木神社(栃木県)のみとされています

 

明治43年(1910年)に大山咋命を合祀、昭和61年(1986年)に日本武尊を合祀

 

 

由緒

神社名の「さきとり」は平安以前の古い地名で、相模川河原に接する自然堤防の南端で、地形名から起こったと言われています。
奈良時代天平7(735)年の『相模國封戸租交易帳」には「大住郡埼取郷」として記載されています。
この「さきとり」の地に奈良時代以前、畿内から御祭神を「氏の上」とする氏人が移り住み、遺徳を偲び、清浄な地にお祀りしたのが「さきとり」神社と考えられます。延喜年間(901~923)に編纂された『延喜式』という法制書の中で全国の著名な神社が収録されている神名帳に、当神社は「前鳥神社」と記され、相模国の十三座のひとつとして登載されています。また、四之宮の称は、養老年間(717~724)の相模国国府祭が始まったとされる頃に生じ、平安時代には四之宮郷として通称されるようになりました。

前鳥神社とは | 前鳥神社

 

延喜式神名帳に記載がある相模国13座の内1社です

 

菟道稚郎子命とは

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第15代応神天皇の皇太子、第16代仁徳天皇の異母弟

 

名前のうじは京都府宇治市の古代表記「菟道」と同じで、菟道稚郎子が地名(うじ)を冠したとされる宇治地域と関連の深い人物です

 

父の応神天皇の寵愛を受け皇太子に立てられるものの、異母兄、大鷦鷯尊(おおさぎのみこと/仁徳天皇)に皇位を譲るべく自殺したといいます

(日本書紀のみの説話で、古事記では単に天折とされる)

 

自殺した菟道稚郎子が実は死んでおらず、一族を率いて東国に下り曽祖父に縁のある地に宮を建て祀った伝承があるそうですが先鳥神社はそうした説話と深い関係がありそうですね

 

 

百済から来訪した阿直岐(あちき)と王仁(わに)から学問を学びました


これにより古く修学の神、学問の神、就職の神として尊崇されたようです

 

菅原道真公よりもさらに古い学問の神さまという訳ですね

 

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専門資格にもご利益があるとか

 

 

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夏の大祓 茅の輪

 

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神事のご準備中

 

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滑り台があって子供も楽しい境内

 

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授与所


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幸せの松


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なんでも落ちた葉を身につけると運がつくとか

 

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狛犬 
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背骨の感じが素敵です


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祖霊社の前に鎮座


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神仏習合の名残


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遠くまで続く参道

 

木々が暑い日差しを遮り、参拝者を包んでくれる

 

清涼たる空気にはなんとも聖地にふさわしい神社ですね

 

 

 

 

鎮座地

神奈川県平塚市四之宮2408